Peko's Gun Box | |
The difference between men and boys is the price of their toys. (by Ichiro Nagata) |
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Rossian M1891/30 Mosin Nagant Sniper Rifle |
モシン・ナガン・スナイパー・ライフル! | |
今回も借り物で失礼します!(笑) 今回貸していただいたのは、ほとんどショップでは見かけないライフルで皆さんご存知のソビエトのライフル、モシン・ナガンです。 このライフルは単身赴任でLAにいる私の友人が息子さんが好きなので買って見せてやろうということで購入したもので息子さんがアメリカへ遊びに来た時に一緒に撃ちに行ったそうです。 しかし、その息子さんのあまりにも薄い反応にがっかりしたと友人は言ってましたけど!(笑) | |
モシン・ナガンM1891/30スナイパー・ライフル |
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長物を撮るのは難しいです! |
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私もモシン・ナガン・ライフルは名前だけはよく知っているのですが、実は第二次大戦でソ連軍が使用したライフルという事ぐらいしか知らなかったのです。 ガンショーで見かけても手に取ったこともなく今回が初めてじっくり見る機会に恵まれたというわけです。 どんなライフルかはネットで調べればすぐわかるのでここではこの貸してもらったライフルがどのような素性なのかをちょっと調べてみました。 見てのとおり、これは専用スコープが付いたスナイパー・バージョンでこれも少し興味があったので調べてみました。 | |
チャンバーにあるシリアルナンバー |
スコープマウントはこんなです! |
これは輸入業者の刻印 |
ボルトにもシリアルナンバー |
最初、1891年に正式採用された時はシングルショット・ライフルだったようですが、1930年に改良されて今の形になったようです。 ここからM1891からM1891/30となったわけです。 しかし1930年以前のライフルもかなりの数が同じように改良されて使用されたようです。 第二次大戦が終わってSKSライフルに代替が行われてもまだ少しの間作られていたので同じライフルでもたくさんのバリエーションがあるようですね。 | |
チャンバーの横にもなにやらマークが! |
フォアエンドのバンドにもマークがあります。 |
マガジンプレートにも番号! |
見えにくいですがここにもナンバーが! |
![]() 初期型スコープのPE |
1935年から製造の簡略化の為、レシーバーのチャンバー部分が六角形から円筒形になりました。 スナイパー・バージョンは1931〜32年ごろから作られ始め、ライフルに制度の良いバレルとスコープを取り付けボルトハンドルがスコープに当らない様に曲がったものにされています。 スコープには初期型のPE(1931〜36年)、中期型のPEM(1937〜42年)、後期型のPU(1943〜58年)の3種類があり、初期型と中期型はカール・ツワイスのスコープが使用されました。 |
![]() 中期型のPEM |
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![]() 後期型のPU |
このライフルについているのはPUです! |
モシン・ナガン・ライフルは2つの製造所で製作され、1つはTULAでもう1つはIZHEVSKというところです。 刻印の違いでそれはわかるのですが、作られていた期間が長いので同じところで作られていてもいろいろな種類の刻印があるようです。 しかしスナイパー・ライフルになったものはどちらでどのくらい作られたという資料はなくランダムに選ばれたらしいです。 | |
リヤサイト |
カバー付のフロントサイト |
残弾を出す時はフロアプレートを開きます。 |
7.62 X 54R の弾です。 |
かなり長いバヨネット |
取り付けは差し込んで90度回します。 |
クリーニング・キットとオイラー |
アンモケースも付いてきました! |
さて、このライフルのバレル基部の刻印を見ると大きな星のマークが付いているTULA製ではなくソ連のマークが付いているIZHEVSK製で大きく1930とあります。 シリアルナンバーも5桁しかなく対戦以前のものとわかります。 各パーツにもシリアルナンバーは入っていて全部マッチング・ナンバーでした。 そこで1つ気になったのが、スコープマウントにもナンバーが入っていてマッチしているのですが、このスコープは後期型のPUで1930年のライフルにだったら初期型のスコープでないとおかしいのでは? というか1932年からスナイパー・ライフルが作られ始めたのに1930というのも気になります。 そう思うとだんだん疑いの目で私は観察を始めました。(笑) | |
ソ連のマークに1930の刻印 |
スコープの刻印 |
ライフリングが上手く撮れない! |
レクティルはこんなです! |
普通のライフルとスナイパー・ライフルとの違いはスコープとボルトハンドルです。 このボルトは本体と同じナンバーが入っているのですが、ハンドルの付け根が少し盛り上がっていてハンドルの曲がり方がネットで紹介されているスナイパー・ライフルのと微妙に違います。 ボルトに打たれているナンバーもほかのナンバーと字体が違いますし溶接した後から打ち直されたものの様に見受けられます。 そしてスコープマウントのナンバーは手書きで入れられています。 ここだけ手書きというのも少しおかしいです。 それにスコープだけがやけに新しいのも気になります。 | |
手書き(?)の刻印 |
新品のスコープ? |
微妙に違う気がするボルトハンドル(笑) |
ボルト・フェイスです! |
付け根が盛り上がっているので気になります! |
スナイパーライフルなのでボルトだけバラしました! |
インターネットでもう少し調べるとやはり後から仕立てられたスナイパー・ライフルがかなりあるようで、その持ち主が改造して作られたものとは別に輸入業者が自分のところでスナイパー・ライフルとして組み立ててアメリカで販売した(今もしている!)ものがあるということです。 その業者が作ったライフルと今回借りたライフルとの特徴があまりにも同じなのでこのライフルもアメリカへ輸入される時にスナイパー・ライフルに改造されたものでしょう! まあ、つまり偽者という結論なので本物と比べると価値が下がってしまうわけですが、しかしながら十分スナイパー気分を味わえますよ! 使用する弾はドラグノフなどと同じ
7.62 X 54R でかなりガツンときます。 オートではなくボルト・アクションなので余計に肩に来ます。 などと書いていますが写真を写すために借りただけでまだ実際に撃つ機会に恵まれていません!(汗) ですのでこれは持ち主の友人の話なので悪しからず!(爆) |
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ENEMY AT THE GATES(2001) | |
![]() この写真のライフルはどう見ても裏焼きでしょう?(笑) |
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で、モシン・ナガン・スナイパーと言えば真っ先にこの映画 ENEMY AT THE GATES (邦題はスターリングラード)が頭に浮かぶのですが、この映画は皆さんご存知、第二次世界大戦時にソビエト連邦の狙撃兵として活躍し、英雄となった実在の人物ヴァシリ・ザイツェフを主人公に、当時のスターリングラードでの激戦(スターリングラード攻防戦)を描いた映画ですね。 (これはWikiの受けうりです!笑) 主人公を演じるのはジュード・ロウ、ドイツのスナイパー、エルヴィン・ケーニッヒを演じるのはエド・ハリスですが、実際にこの人物はドイツ軍に実在しなかったようでこの話はソ連軍の士気を高めるためのプロパガンダとされているのが定説です。 映画もかなり事実とは違った展開のようですがここではあまり関係ないのでその話には触れないことにします!(笑) | |
四角いフォアエンド! リヤサイトまで布で巻いてしまっている? |
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マウントを付ける所が埋めてある? |
ボルトハンドルは曲がっているタイプ |
まずは最初に出てくるヴァシリが幼少のころのハンティングのシーンで使われたモシン・ナガンですが、チャンバー部分が六角形になっているので1935年より前のモデルとわかります。 しかしながらボルトハンドルが曲がっていてスコープを付けるようになっているもののそこは埋めてあります。 フォアエンドは四角くてグリップ部分にはチェッカーが入っているのでスポーター・ライフルに改造されていると言う設定でしょうか? アクションが凍らないように布を巻いてあるのはいいですが、リヤサイトまで隠れているのであれじゃあ当らないでしょう!(笑) | |
普通はハンドルがまっすぐです! |
チャンバーが六角の35年以前のモデル |
次に出てくるモシン・ナガンはやはりチャンバー部分が六角形ですので1935年以前のモデルですね! ここではソ連軍の定番小火器がお約束のように出てきます。 ドイツ軍側はKar98kはもちろんMP40の他にMP38やMP41も出ています。 | |
T34の85mm砲塔、1942年にはまだ無いはず! |
M1940 72-K 25mm 対空機銃 |
M1895 ナガン・リボルバー |
TT33 トカレフ |
PPsh−41サブマシンガン |
別名マンドリンともいいます! |
M1910/30 マキシム・マシンガン |
やはりこのセレーションが馴染み深い!(笑) |
MP40とMP41 |
こちらはMP38 |
ヴァシリの使用するモシン・ナガン・スナイパー |
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PUモデルのスコープ! |
そしてこの後、ヴァシリはスナイパーとして活躍するわけですが、見てのとおりヴァシリはモシン・ナガンの後期型PUモデルを使用します。 しかしスターリングラードの攻防は1942年に始まったわけでこの時はまだPUモデルは存在していません。 実在のヴァシリ・ザイツェフの写真を見るとPEMモデルを持っていますし調べてみると終戦までPEMモデルを使用したらしいです。 今でもヴァシリが使用したライフルがスターリングラード・ヒストリー・ミュージアムに展示されているのですが、そのライフルはPUモデルで写真に写っているPEMモデルとは違うものなので本当にそうなのかは?です。 ちなみに映画の中で新聞に載るヴァシリの写真の中で持っているモシン・ナガンはスコープが付いていなくてボルトハンドルが曲がっているので、もしかしたら最初に出てきたスポーターモデルをもって写真を撮ったのかも?と推察します。(笑) |
スコープが付いてな〜い! |
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![]() ミュージアムにあるヴァシリのライフル? |
![]() ヴァシリ・ザイツェフご本人 PEMモデルを持っています! |
さて対するドイツ軍少佐のエルヴィン・ケーニッヒが使用するのはカール・ツワイスのスコープが付いたKar98Kスナイパーライフルです。 チャンバーの横にマウントが付くZF41ではなくフレームの前後にマウントが付くZF42のほうですね! | |
エド・ハリス扮するエルヴィン・ケーニッヒ少佐 |
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![]() Mauser Kar98k ZF42 |
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ヴァシリに狙われていると気付いた瞬間 |
![]() 実際には2人で組んで狙撃したのでしょうか? |
今回は自分ではまず手にすることがないであろうモシン・ナガン・スナイパー・ライフルを取り上げてみましたがいかがでしたでしょうか? もし無可動実銃をお求めになる時は偽物に十分注意してください!(爆) 9/13/2012 |
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