Peko's Gun Box
The difference between men and boys is the price of their toys. (by Ichiro Nagata)
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 HEAT (1995)
 よけて通れない道でしょうか!(笑)
 うーん、今回は以前からリクエストをいただいていたマイケル・マン監督のHEAT なのですけど、もうすでに語りつくされていていまさら私がつついても何も出てこないような気がします。(笑) いろいろなサイトでガンなどは紹介されていますので今回はサラッと流していただきたい!!(笑) 気になるガンということで登場順に見て行きたいと思います。
 アル・パチーノのコンパクト・モデル!
 最初に出てくるのはアル・パチーノの45オートですね。 これはウェブ・サイトで実際に映画で使用された銃が紹介されていますので、少しだけ掘り下げてみていきたいと思います。 
 この45オートはご存知のとおり、コルト1991A1 コンパクト・モデルで映画で使う為2丁のコンパクト・モデルがステンブリッジ・ガンレンタルから貸し出されました。 1丁はシリアル・ナンバーCP21094でもう1丁はCP21263ということです。 この2丁はステンブリッジ・コレクションとして2007年にオークションに出され、落札されました。 よく見ると2丁目のスライドはシリーズ80のオフィサーズ・モデルのスライドですが、シリアルナンバーは1991A1のコンパクト・モデルのナンバーなので、これはスライドを入れ替えられたものだと思われます。


オークションのカタログから
 これらの2丁はマイケル・マン監督の要請でグリップをアイボリーのものに交換され、ブランクを撃てる様にバレルにチョークを入れられたわけですが、そのうちの1丁はチョークを深くして前方から写してもチョークが見えないようにしてくれと監督から指示があったそうです。 バレルが短いので普通は銃口のすぐ近くにチョークを持ってくるのですが、HEATで使われたうちの1丁はチョークを深く設定されているのです。 細かいところではエジェクションポートは下に少し広げられていてジャムを起しにくくしてあるようです。 しかし、やっつけ仕事だったようで少し粗い出来ですねえ!(笑)


(上) チョークが奥のほうにあります。
(右) 急いで削ったかのようなエジェクションポート
 現金輸送車の襲撃シーン
 ここではM-16系をロバート・デニーロとバル・キルマーが持って出てきます。 よく見るとデニーロが持っているのは(ハンドガードにテープが巻いてある方)AR-15の初期型をフルオートに改造したものとわかります。 まずフレームを見ると初期のAR-15の特徴であるマグ・レリース・ボタンの周りにあるリブが見当たりません。 フルオートのM-16にはそれがあるのでセミオートのAR-15のフレームをフルオートに改造したものです。 も1つの特徴は前側のヒンジはピンではなくサイズの少し大きなスクリューになっていることでフルオートのロアフレームを簡単にアッパー・フレームに取り付けられないようにしてあるのです。 しかしながらアフター・マーケット・パーツ(社外品)で取り付けられるようにするパーツが当時売られていました。(私も持っていたので知っているのです!笑 ) アッパー・フレームにはフォワード・アシストがないのでこちらも初期のAR-15の物を使っているのか?と思いましたが、バレルがどうも14.5インチのようなので(市販のAR-15ショーターは16インチ・バレル)M645あたりのアッパー・アッセンブリーということになるでしょうか?
 バル・キルマー(黒いフェイス・マスク)のM-16はチラリと見えるバレルが10.5インチでフォワード・アシストもカート・デフレクターも見えますので後の銀行強盗のシーンで出てくる物と同じM733(タイプ)のM-16でしょう。
 トム・サイズモアが持っているのはおなじみのFALですが、フルではなくセミオートでボディーに2発、とどめに1発を発射します。 彼の左胸にはルガーのKP-90が!
ダニー・トレホはAKですが、銃口にあるコンペセイターの形からAKMということになるのですが、しかしグリップが木製であるところから中国製ノリンコの56式だと思います。 56式にはコンペセイターが付いていないので付け足されてフルオートに改造された物でしょう。(いや、セミオートかも?)
現金輸送車の乗員がアンクル・ホルスターからリヴォルバーを抜いて反撃しようとしますが、これはS&WのM38ボディーガードのようです。
 現金取引のシーン!
 ロバート・デニーロのハンドガンは映画の前半ではHKのUSPを使っています。 自分の家でのシーンや車の中から発砲するシーンで確認できます。
 次に出て来るのはバル・キルマーのHK-91です。 G3のセミオート版でロア・レシーバーがのっぺりしたスティール版なのですぐわかります。 ちなみにバイポッドは別売りでした!(笑)
殺し屋がぶら下げているのは当時では新鮮な(?)ステアーTMPですね。 ギボンズではセミオートのをフルオートに改造しトリガーガードの前にレールをつけてM4のバーチカル・グリップを付けた”なんちゃってTMP”を見かけました。(笑) フルオート・オンリーというわけです。
 出口で待ち構えていたトム・サイズモアの手にはベネリのM3が! M3なのですが何も改造されていないのか、ポンプで連射していました。 なかなか映画の中でベネリM3のセミオート連射は見れないようです。
 バル・キルマーのハンドガン!
 後ろのホルスターにチラリと見えるのですが、デニーロの家のシーンでもチラッと出てきます。 いちおうS&WのM6904ということに他のサイトで紹介していましたが、確認できませんでした。
 銀行強盗のシーン!
 ここでは大量のガンが出てきますが、警官が持つのは92FとグロックというLAPDの定番ハンドガンでショットガンはレミントンとモスバーグ、ライフルはAR-15A1にA2のハンドガードという感じでしょうか?(笑)
 ロバート・デニーロとバル・キルマーの2人が持つのはM-16A2系の10.5インチバレル、M733のようです。 しかしバードケイジ・ハイダーはA2の物ではなくA1の物が取り付けられています。 皆さんご存知のようにA2ハイダーは伏せて撃った時に砂埃が上がらないように下側が塞がっているのですが、派手なマズル・フラッシュを見せる為かA1の360度炎が出る物が使われています。
 トム・サイズモアが使用するのはここではガリルARMです。 やはりフルではなくセミオートでの射撃でした。
 現場へ駆けつけたアル・パチーノは映画ではあまりお目にかかれないFN のFNC(セミオート)を使用しています。 もちろん気付かれた方も多いと思いますが、フラッシュ・ハイダーがM-16A1の物に交換されているようです。 M-16系と同じ派手な火を出させるためでしょう!
 エレベーターの中!
 ここではアル・パチーノのガンが結構はっきり映ります。 例によって人差し指でスライドを少し引いて(押して?)チャンバーにロードされているか確かめます。 もう一人はモスバーグのM590ですね。 バレルのヒートシールドとバヨネット・ラグが特徴です。 ドアのヒンジを撃つためにダブルOバックからスラッグ弾に入れ替えるのが印象的ですね。
 デニーロのハンドガン その2
 アル・パチーノと対面するところからデニーロはSIGを使います。 グリップ部分が良く見えないのですが、これはSIG220が使われています。 GUNS誌の1998年10月号に「HEAT」のコンパクト・モデルとSIG220が掲載されていますので間違いないでしょう。 マイケル・マンはSIG220がどうも好きなようですね!(笑) 彼のほとんどの代表作に出てきているのではないでしょうか?

右はGUNS誌の記事から。 一番上は「ブロークン・アロー」でトラボルタが使った93R、下は「ペイ・バック」でメル・ギブソンが使った44マグマム!
 ワイングロのガン!?
 そういえばワイングロ役のケビン・ゲージのガンを忘れていました。 これはスペインのスター社製モデル・メガスターというガンで45口径だと思いますが40口径もあります。 アンビのセフティーがスライドにあり、3段階になっていて上から1つ下げるとセーフでもう1段下げるとハンマーをデコッキングします。 レバーはスプリング・テンションでセーフの位置に戻ります。 フレームもスティール製で結構重いガンのようです。 マガジンセフティーも付いているようですよ。
 ホテルのシーンではニッケル・メッキのメガスターを使っていますね。(ステンレス・モデルはないので!) この映画にはマイケル・マン監督が好きなシルバーのガンがルガーKP-90以外は出てこないのかと思っていたらやはりでた!という感じです。(笑)
 今回ふと気付いたのですが、現金輸送車のクルーを射殺するシーンをコマ送りにして見ていたらスライドはぜんぜん動かず、薬莢も出ないことに気が付きました。 これはやはり至近距離なので後から銃口の炎と音を入れた物だと思われます。 一瞬なので見ていてもわかりませんが、俳優さんの安全を考えてのことでしょう!
 これまた見過ごすところでした!(汗) ホテルのカウンターの裏に見えるのはイサカのM37でしょうか? エジェクション・ポートが右側にないのですぐそれとわかります。
 この映画は何度見ても面白いですね! 名作だと思います。 ちょっとはしょって紹介しましたが、何か新しい発見はありましたでしょうか?(大汗)


                                                  10/30/2010
 ここは突っ込みたいぞ!
 車の中からぶっ放すシーン! 耳栓をしていないと鼓膜が破れます! AR-15を隣で撃っている時、少しでも銃口より前にいるだけで高速223レミントンの衝撃波が襲ってきます。
 デニーロがホテルのエレベーターの中でチャンバーを確認するシーンですが、ほんの少しスライドを下げるだけなのにフルに引いたような大きな音がします。(笑)
 ホームレスが高速道路の下でどうやってテレビの電源を取っているのでしょうか??
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