Peko's Gun Box
The difference between men and boys is the price of their toys. (by Ichiro Nagata)
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Toy Gun Box #4
NAKATA TOKAREV


TRCのカタログより
 TOKAREV T−33
 トカレフと言うと私は Enemy at The Gates (2001)「スターリングラード」で将校が自殺する時に使ったぐらいしか思い浮かばないのですけど、ハドソンからエアーガンやモデルガンが出てから日本映画ではよく見かけますね。
 NAKATAのトカレフ
 ナカタのトカレフは一度も手にとった事がなかったモデルガンでした。 やはりガバやP38、ハイパワーやP08に目がいってしまうので、あまり興味のないガンだったのです。 46年規制の後、たまにおもちゃ屋のショーウィンドーに金色にペイントされたトカレフ拳銃が置かれているのを見かけましたが、やはりあまり人気がなかったのかいつまでも売れ残っていたように思います。 それにどうも共産国の拳銃というのもイメージが悪かったのかもしれませんね。


ひじょうにスマートなガンです。


刻印はロシア語?


ライフリングの奥にネジが切ってありました!


このバレルも2本の穴が開いています。


エジェクション・ポート!


ハンマーを起こすとこんな感じです。
 中国ノリンコ製五四式拳銃は触ったことがありますが、あれはあまりできの良いピストルではなかったです。(仕上げや作動の具合など) 日本では少し前まではトカレフといえば一番メジャーな(?)密輸入拳銃でしたが、今はマカロフに取って代わったようですね。 中国からマグロのおなかの中に入れてくるのでメッキしてあるのが多かったとか? しかしそれも中国で廃棄されたものを組み立てて密輸されていたらしく、みんなガタガタの物ばかりだったと聞いています。


マガジンはフレームいっぱいのサイズです。


スライド・ブリーチの様子。
 それに比べこのナカタのトカレフはやはり初期の作品らしくきっちりと作ってあってなかなか良く出来ていると感心したほどです。 セフティーらしいセフティーはついていないガンで省力化を図られた結果だと思いますが、セフティーはハーフコックだけというのはいつもはチャンバーを空にして携帯しなければならないということですね。
このガンは確か六人部さんの設計だったと思いますが、当時(昭和45年前後?)トカレフなんて全然知られてなく資料も無いのに良く作られたと思います。 やはり実銃を採寸したのでしょうね。 おおらかな時代だったようです。 


グリップにはCCCPの文字が!


あの当時、よくここまで再現できたと思います!
 このトカレフというガン、最初持ったときに「へぇー、スマートなガンだなあ!」という感じを受けました。 もっとごっつくてガバメントのようにガッチリとした印象を持っていたのですけど、スライドなどはブローニング・ハイパワーの様にほっそりしていて、なおかつフレームはダブル・カラム・マガジンではないのでひじょうに薄い感じを受けます。 コルトの32オートを大きくした感じでしょうか?
 ナカタのガンに関しては輸出されたものも国内で売られたものもスライドの刻印は同じだったのでしょうか?(たぶんJapanの文字が付け加えられているだけだと思いますが、違っていたらどなたかコメントをください!) 王冠マークがない分、カタログと同じ仕様ですが、国内向けのモデルガンには王冠マークが付いていたのでそれとは違うということですね。


スライド左側の刻印


こちらは右側、Japanの文字は後から入れたと思います。
 内部の構造はいたってシンプルです。 スライドストップを押さえているクリップをずらし、スライドストップを抜き取ります。 するとスライドが前へ抜けてガバメントと同じブローニング・スタイルのバレル・リンクが現れます。 ハンマーとシアーはセットになって取り出すことができ、クリーニングを簡単にしています。ナカタのトカレフには残念ながらディスコネクターは省略されていますが、実物のシンプルな作りをよく再現していると思います。


ハンマーとシアーはセットで取り出せます。


ハンマーの中にハンマー・スプリング!


前撃針が付いています。


ブローニング・タイプのバレル・リンク!


分解図!この木グリは見たことないなあ!


非常に薄いフレーム!


いつものようにバラバラにしてみました。バレル・リンクはピンが、かしめてあったのでやめました!
 このデザインはT-33が示すように1933年にそれまでのナガン・リボルバーに代わってソ連軍の正式拳銃に制定され1934年から配備されました。 その後、1950年代にマカロフ拳銃に取って代わるまで使われました。 第2次大戦中はスライドのセレーションが普通の細い縦溝のモデルも存在しました。


実銃のトカレフ!


大戦中バージョン!
 ハンマーとシアーを一体化してセットで取り出せるデザインは、すぐスイスでデザインされたMie1935Aというフランス軍用拳銃に生かされました。 いわゆるナカタ・フレンチM1935でご存知ですね。 このガンは1938年にMie1935Sに代わってしまい、デザインも少し変わってしまいました。 そしてMie1935Aを元にデザインされたのがSIG P210 というのはご存知の方もいらっしゃると思います。 P210もハンマー部分がセットになって取り出せるデザインですね。


Mie1935A


Mie1935S
 Mie1935A というガンは一度だけガンショーで見たことがあります。 ひじょうにスマートで表面はよくポリッシュされていてSIG P210のように洗練されたイメージを受けました。 「うわ〜、ほしいなあ!」と思いましたが、金銭的に(笑)無理がありましたのでそのときは見送ったのですが、それ以来、見たことがありません。 まあ、大体そんなものなのです。 やはりほしいと思ったら買っておかなければダメですねえ! といつものように話がそれましたが、このようにトカレフはなんとSIG P210の義理の(?)おじいさんにあたるのでした!(笑)


                                                     6/6/2007
 ナカタ・トカレフについての補足!
 
 このホームページを見てくださっている方からトカレフの刻印についてのメールをいただいたので、少し訂正させていただきます。 ナカタのトカレフは1967年(昭和42年)に発売になったそうで、その後、王冠マークの規制44年の9月からあの46年10月の第1次規制までなのだそうですので、規制以前のトカレフはもちろん王冠マークなしが存在するわけです。第1次規制後の金メッキの物には王冠マークをつけなくても良くなったので金型を変更して丸い後がついているのもたびたび見かけましたね。 第1次規制直後は在庫の残っていた黒いものに銃口を詰めて金色のペイントを吹いたものが売られていましたので金色に王冠マークと言うのもありました。 今思えば私の年齢から行くと第1次規制のすぐ前ぐらいからの付き合い(?)なので王冠マークなしの黒いものを見たことがなかったのでした。
 
 また、Made by Nakata Japan の刻印についても国内のものにも入っているとご指摘をいただきました。 いつから輸出をしていたのかは私にはわからないのですが、私の持っているトカレフは明らかにJapanの文字が後から入れられた物のようなので、国内のものとは違うものなのか?と思った次第です。

 ご指摘のメール、どうもありがとうございました。
 
                                                    6/11/2007
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