| Peko's Gun Box | |
| The difference between men and boys is the price of their toys. (by Ichiro Nagata) |
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| Toy Gun Box # 10 WALTHER Cal. 4.5mm (.177) LP Model 53 007のエアー・ガン?! |
| ジェームス・ボンドのエアー・ピストル! | |
| 今回のネタは空気銃で、GUN BOXのページで紹介しようかと思っていたのですが、アメリカではエアーソフト・ガンはもちろんCO2や圧縮空気を使って鉛の弾を発射する日本で言う空気銃や空気拳銃もおもちゃ扱いなのでToy Gun Box で紹介することにしました。 このエアー・ガンを見て「あ、これは!」と思った人はもちろん007フリークということになります。(笑) |
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WALTHER LP53 左側面 |
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こちらは右側面 |
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ショーン・コネリーが握るこのガンはワルサー社のLP53というエアー・ガンで、この写真を007フリークでなくても一度は見たことがあるのではないでしょうか? この写真は007映画の2作目にあたる "From Russia with Love" (1967) 邦題は「007危機一髪」のちに「ロシアより愛をこめて」の宣伝のためのポスター用のマスター写真となった物です。 この写真のおかげでこのエアー・ガンは有名になったわけですが、これには面白い話が残っています。 |
| 007の2作目ということでその宣伝ポスター写真を撮る際に強いジェームス・ボンドのイメージを!と考えていたその時のフォトグラファーの David Hurn ですが、さて撮る時になって広報係の Tom Carlile は誰もショーン・コネリーがポスター写真で持つはずのワルサーPPKを持ってきていないことに気付きました。 もうコネリーもタキシードに着替えてスタンバイしているのですが手ぶらでは撮るわけにも行かず、そこでフォトグラファーの David Hurn は自分がシューティング・プラクティスに使っていたエアー・ガンが車に乗っていたのを思い出したのです。 それも同じワルサー社製で小さなPPKよりは大きなこのエアー・ガンの方がイメージも力強いと考え、ショーン・コネリーやユナイテッド・アーティスト社のスタッフには勝手に使うことを伏せてそのエアー・ガンを撮影に使ったということです。(笑) | ![]() |
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この写真はアメリカでは5作目の”You Only Live Twice”(1967)「007は二度死ぬ」のポスターまで使われることになります。 日本でのポスターは5作目になってショーン・コネリーの写真に水野晴郎さんの手に握られたMGCのPPKが合成で写っている写真が使われたのは皆さんご存知ですね!(笑) しかしこのエアー・ガン、残念ながら映画では1度も登場することはありませんでした。 ![]() |
| エアー・コッキング・ガン?! | |
こんな感じで箱に入ってきました! |
カッタウェイの図 |
| さてこのガン、写真ではよく見るわけですが、手に取るまでどんなガンなのかぜんぜん見当がつかなかった訳でして、実はこれはエアー・コッキング・ガンなのです。 エア・コキといえども鉛の弾を発射するのでエアーソフト・ガンに比べるとかなりスプリングのテンションがきついのです。 見たところ、グリップにCO2のボンベを入れるかのようですが、グリップの中にスプリングとピストンが入っています。 これはシングル・ショットのエアー・ガンで、バレルの後部がフレーム先端の大きいスクリューを軸に持ち上がります。 この動作はスプリングのコッキングも兼ねていて、バレル先端とグリップを持って中折れ式のリボルバーのようにくの字に折り曲げるとトリガー・ガードが下に押されてピストンのスプリングをコックします。 しかしながらこのスプリングはかなりきついのでバレル先端に木の丸いハンドル(?)を差込み、コッキングをやりやすいように付属品で付いてきます。 これがないと手が痛くてスムースにコックができないくらい硬いスプリングです。 | |
コックするとこんな感じ |
これがあるとかなりやりやすいです。 |
ガンのスペック! 最初にドイツ語で書いてあります! |
リヤ・サイトもバレルの上にあります。 |
| 付属品にはそのハンドルの他に厚さの違うフロント・サイト・ブレードとノッチの幅が違うリヤ・サイト・ブレードが2枚付いてきました。 後はクリーニング・ロッドと取り説です。 そしてこれはたぶん社外品だと思いますが、ワイドなトリガー・シューが1セット入ってました。 口径は4.5mmで鉛のつづみ弾を発射します。 バレルにはもちろんライフリングが刻まれています。 バレルは7インチありますが、ライフリングは銃口の手前2インチの所で終わっていて先の方はライフリングが無いのです。 実際は5インチバレルという事でしょうか???(笑) |
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付いてきた付属品! |
鉛の鼓弾 |
チャンバーの後部までライフリングがあります。 |
ライフリングはこんな感じ! |
銃口部にはライフリングがない?! |
サイト・ランプにセレーション! |
| フロント・サイトは銃口のすぐ上にあるスクリューを緩めて交換します。 リヤ・サイト・ブレードは上にスライドさせて交換できるようです。 リヤ・サイトは簡単な構造ではありますが、エレベーション、ウィンテージともに調節できるフル・アジャスタブルになっています。 重さは1150g もあって実銃のようにずっしりと重いのです。 | |
シンプルでもフルアジャスタブル! |
4.5mm(.177)の弾! |
トリガーにもセレーション |
フレーム前部からはスプリングが見えます! |
| 写真を見て気付かれた方もいらっしゃると思いますが、実はこのガンには前期型と後期型がありまして、これは後期型なのです。 ショーン・コネリーが握っているのは前期型でフレーム後部が少し長く下に少し垂れ下がっているのですが、後期型はコルト・ウッズマンのようなデザインになっています。 で、さっそく裏庭で試射してみました!(笑) 15mぐらい先にビールの空き缶を置いて撃ってみました。 エアー・ガンの割にはバシッと驚くほどでかい音がします。 反動はもちろんないのですが、ピストンが動いて手の中で踊るような感じがします。 ビールの空き缶は当たるともちろん貫通しますが、弾数が増えてくると中のオイルが切れてきて初速が遅くなり、だんだん下の方に着弾するようになります。 これはまめに注油する必要があるようです。 |
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コルト・ウッズマンに似たシルエット! |
フレーム左側の刻印! |
右側の刻印。当時の輸入元、インター・アームズ |
グリップのワルサー・バナー |
シリアルナンバー! |
反対側にはFの刻印! |
| ショーン・コネリーが握ったLP53! | |
| 実際に撮影に使われたLP53は、最近オークションにかけられ落札されました。 クリスティーズというロンドンの有名なオークションでショーン・コネリーといっしょに写っているシリアル・ナンバー054159のワルサーLP53は、2001年2月14日になんと14100ポンド($20487.00)で落とされました。 | |
![]() 実際にショーン・コネリーと一緒に撮影に使われた初期型のLP53 |
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| ここにあるLP53の箱の中に以前の持ち主が残した購入した時の伝票が入っており、1978年8月25日に$199.45で購入された物です。 このエアー・ガンに2万ドル出すかどうかはその人の価値観の問題ですが、私にはとうてい出せない金額であります。(笑) これは私の推測ですが、007のロゴでセブンのところがガンになっているのは、ずっとルガーP−08がモデルになっていたと思っていたのですが、たぶんLP53がモデルになっているのではないでしょうか?(笑) 10/27/2008 |
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